2013年4月2日火曜日

就職活動各論:内定を取る「志望動機の心構え」

就職活動において、志望動機を考えることは必要不可欠です。

決して大げさではなく、基本的に面接では「志望動機」を尋ねられ、面接を通過できるか、内定をとれるか、まで関わってきます。

そこで、本日は、このブログを見てくれている方に内定を取るための「志望動機の考え方」について書いていきたいと思います。

この考え方を試して頂ければ、少なくとも業界を横断して内定を取ることができます。

筆者は出したESは25社全て通過、全社2次面説まで進み、内定も10社頂きました。つまり、会社の向き不向きなんて関係なく、内定を取る準備をしっかりすれば、内定を取れる人間は取れるということです。ぜひ、御覧頂いて、参考にしてもらえればと思います。




内定の取れる志望動機とは:「能力の源泉を伝える!」


結論を先取りすると、企業にとって志望動機はそこまで重要ではありません。というのも、未来のこと(志望動機)なんて、捏造したければ捏造できるからです。


志望動機として重要なことは、
「この学生がどんな状況で力を発揮できるのか」
「この学生はどんな状況でモチベーションが高まるのか」
で、この2つを上手く伝えていくことが志望動機になります。


簡単にいえば、志望動機はその学生がその企業で働きたい理由です。
働きたいという想いは、「その企業に自分のやりたいことがあり、やりたいことをするとモチベーションが上がる、モチベーションも上がれば一番力を発揮できる」という風に繋がっていくはずです。

忘れないでください、企業は戦力を求めています。
企業のファンを求めているわけではないのです。実際に企業に能力のある人を入れ、力を発揮させ、生み出される利益を求めているのです。

ゆえに、志望動機を聞かなくても、「どういう軸で就活をしてるのか」「どういうことをやりたいのか」「一番うれしい瞬間はどういうときか」などを聞き、「モチベーションの源泉」を尋ねて自分の所と合致しているのかを調べられれば十分なのです。


志望動機がいらないのは捏造だからです


志望動機は意味が無いという理由は、面接官がただ単純に「志望動機は?」と学生に聞いても、学生は「作った志望動機」を話すだけで、生産的ではないからです。


自分の身を振り返ってみていかがですか。無理やりひねり出したWEBの先輩たちの受け売りを並べるだけで不毛じゃありませんか。もしくはOBの受け売りなことはありませんか。


企業もそのことに薄々気づいてきています。ESに志望動機を書かせる企業も少なくなりましたし、今年は大手総合商社の住友商事ではES自体課しませんでした。理由はOBに書かせたESを持ってくるだけで意味がないためだそうです。


ともかく、志望動機をエントリーシートや面接で質問するよりは、その学生が一番力を発揮できる環境、場面をしっかり把握して、そのような環境、場面がその企業にあるかどうかを判断した方がよほど生産的です。 企業はいまそのように考えて質問を練っています。


つまり、「自分はどんな状況で力を発揮できるのか、どんな状況で一番モチベーションを上げるのか、どんな状況で一番エネルギーを注げるのか」が重要です。


その「モチベーションの源泉を見つけ、それを軸に、そういった環境がある企業を志望する」のが内定を得るための志望動機として必要不可欠なことです。


面接に一貫性を持つこと、再現性を訴えることが大切


また志望動機は、業種を軸に作るものではありません。一見、バラバラな業種の企業を受けているようでも、上の軸を基準にしていることを説明すれば、面接官も納得します。



例えば、自分の企業を選ぶ上での軸が「個人に裁量が大きい仕事ができるか(商社志望に多い)」だとしたら、どんな職種でもそういう企業はあるはずです。また「モノがなくて個人の力を武器に戦う仕事(金融志望に多い)」だとしてもそういう仕事ができる業界は色々とあります。


たとえば、小売業の正社員登用なら一国一城の主ですし、IT営業やSEだって個人の力で戦っています。視点を変えてみると、色々な企業があることに気付きます。


そういった 「個人に裁量が大きい仕事ができる」「個人の力を武器に戦う」環境が、本当に、自分にとって一番モチベーションが上がり、一番エネルギーを注げるのであれば、そういう環境のある企業に入れれば別に入社後も楽しんで仕事ができますし、力を出せますしね。


就職活動における必須質問「大学生活で力を入れてきたことはなんですか」についても、心からモチベーションが上がることなら、そんな環境のもとで何かに精力的に取り組んできているはずです。面接の内容と志望動機の一貫性はここで保たれるのです。


横道にそれますが、よく、「志望動機が書けない!」と就活生から相談されることがあります。志望動機が書けないのも当たり前です。志望してないんですから。しかし、上のように自分の志向を把握して何に惹かれるかを考えれば、何も企業ごとに志望動機をコロコロ変える必要なんてありません。


自分の企業を選ぶ基準を軸に、その企業が当てはまる部分をクローズアップさせて志望動機を書いてください。これまでの様に、無理やり志望動機を作るよりも、上の方法で書いていけば、本当にその企業を志望しているので、面接でも説得力ある受け答えができます。企業ブランドや安定性なんて忘れましょう。


自分が力を発揮できない所の面接を無理に受けることは、面接に通らないばかりか、万が一入社できても入社後に不幸がやってきます。そのうち窓際族です。

志望動機を聞かれる場合の注意:


ただ、企業が志望動機を聞く場合、学生の志望度を本人の口で語らせることで図るという意図が多いようです。 最終面接に近くなると多いです。その時には、「なぜこの業界なのか(他の業種じゃできないことなのか?」「なぜその企業なのか(他の企業ではダメなのか)」を論理的に説明する必要があります。 この部分に関しては、前回の記事を参考にしてみてください。



さいごに


企業ごとに志望動機を作らなくてもいい、と言いましたが、それは受ける企業のことを知らなくていいということではありません。


その企業が自分の軸と合っているのか、そういった環境があるのか、そういったことはしつこいくらいに調べなくてはなりません。

自分の軸に合った企業、そういった企業に就職できれば本当に幸せです。


上記を意識して企業選びをして、こういう理由から自分の軸に合うという風に志望動機を伝えていって下さい。

+++++++++++++++++++++++
参考に、人事向けの本と就活生向けの本を紹介します。

●「Q. 志望動機を聞かない面接ってどんなの…?」
下記は、人事向けの導入本で、「コンピテンシー面接」という近年流行りの面接手法を紹介しています。どのように、運用するのか、どう学生を判断するのか、について書いてあるので、一読しておくと面接官の視点について学べます。


(※出会い:日本生命の人事懇談会で人事の方から紹介を受けました)

購入前にネットでどんなものか確認したい肩はこちら↓へ
参考URL:採用官向けサイト「面トレ:コンピテンシー面接の紹介」
参考URL:All About「熱い学生が就職採用される理由:コンピテンシーとは」


●「Q.実際に企業の環境ってどう判断するの?」
自分と会社を5つの観点から簡単に比較できるアイデアがあります。
自分に「合う」「合わない」を考えるのに非常に役立ちます。


(※リクルートのインターンの際に講演を聞き非常に参考になった)

購入前にネットでどんなものか確認したい肩はこちら↓へ
参考URL:プレジデント「2社で迷ったらぜひ、5社落ちたら絶対読むべき就活本」連載記事
参考URL:読書録:2社で迷ったらぜひ、5社落ちたら絶対読むべき就活本

2013年3月1日金曜日

就職活動各論: 内定を取る「志望動機の書き方」

そろそろエントリシートの締め切りも近づいてきた頃でしょうか。
多くの後輩が「志望動機」を書くことで苦しみ始めていました。

自分は典型的な大手病患者だったので超大手企業の就職活動しかわかりません。ただ出したエントリシートは25社全て通過、全社2次面説まで進み、内定も10社頂きました。本記事では自分の経験を元に簡単にかける「大手企業の内定に繋がる志望動機の作り方・書き方」について書こうと思います。あくまでも志望動機に焦点をあてるので、それ以外のESの部分が平均的な水準にあることを前提にしています。

※記事末尾に「数十分で内定のとれる志望動機を書ける裏ワザ」として、記事全体をまとめるので時間がない人はそこだけ読んでみてください。


志望動機を書く前の心構えについて別の記事を書きました。
参考:就職活動各論:内定を取る「志望動機の心構え」





志望動機に関しては,神保町や三田の喫茶店で聞く学生同士のアドバイスも、就活本に記載されているノウハウも実用に耐えられないレベルでどれも酷いものです。はっきり言えば、そのアドバイスに従ってエントリシートが通ったとしても、面接で落とされて内定に繋がることはありません。そもそもサラリーマン面接官の心情を理解していません。



志望動機は「その企業を志望する理由」を反論のない形で出して、「相性ばっちりでやめないし、伸びるから自分を採れ」と期待値をあげながら訴えるだけでいいのです。サラリーマン面接官にも上司がいます。彼らが自分の責任を回避し、成果をあげられるようなフリをしてあげればいいだけなのです。(※面接システム論は後日の記事に回します)



大まかに既存の志望動機のノウハウは下記の2つに分けられます。

1.会社ドクトリン(資料や見聞をもとに「業界・会社・社風」について書く)
2.自分ドクトリン(自分で思ったままの「理由、仕事、思い」について書く)


どちらのドクトリンが正しいかという議論は間違っています。結論を先取りすれば、両方の内容を書くべきなのです。それぞれだめな理由を説明したいと思います。


1.失敗例:会社ドクトリン


多くの学生がする下記3つの間違いについて、どうやったら失敗するかを説明していきたいと思います。
1a.業界について書く
1b.会社の事業や社風について書く
1c.会社説明会で見聞きしたことを書く
7~8割の学生が1aだと言われています。少し頑張った人が1b。先輩のアドバイスに洗脳されて1cに僅かな人が辿り着きます。しかしどれも足りません。これらの間違いの結果、面接では下記のような悲しいことになります。



学生「業界がー」
面接「(競合他社じゃだめなの…?)」←本当に多いです

学生「事業や社風がー」
面接「(その事業以外だったら辞めるんじゃないか…?)」
面接「(社風ってなんだよ…)」

学生「説明会でー」
面接「(説明会なんてセールストークしかねぇよ…)」



本質的な問題は「会社ドクトリンについて書いても、他の学生と差別化できないこと」です。しかも内容がものすごく薄い。本当に心の中で昔から思っていたとしてもさっき考えた人との深さを面接官に論理的に伝えることは困難です。社風については具体的に共感した部分を述べれば、個人の受け取り方の違いで、まだ差別化できるのが救いですが。


事例を元にさらに説明しましょう。ネットで拾った花王のESを元に、何がいけないかを説明します。なお花王を選んだのは、「B to Cのビジネスで、強いブランドを持ち、CMも多く有名であるため、志望する学生が多く志望動機の差別化が必要不可欠なため」です。他意はありません。ええ、1次面接で左右の人が「化粧品が好きで、御社のアジエンスが好きだから志望しました☆ミ」なんて言ってるのを聞いて呆れてキレかけたからではありません。
私は『人々の役に立つ』仕事をしたいと考えております。■御社は化学メーカーであり、代表商品である洗剤やトイレタリー用品、化粧品、食品を製造しているということで、幅広いラインナップを持っており、消費者の方に様々な形で生活に役に立つ商品を提供出来ている会社であるということで志望いたしました。■また、御社の魅力として『ブランド力』が高いということです。ブランド力があるということはそれだけ企業としての社会的信用も高いということで、営業から研究まであらゆる分野で高い倫理意識が要請され、ひいては信用力の高い商品が生まれ、回りまわって消費者に役に立つことができると思いました。
要点ピックアップ→面接官の思考:
「人の役に立つ」→立たない仕事ってあるの?
「消費者に様々な商品を提供する」→だからなぜそういうのがいいの?
「社会的信用も高いから倫理意識が必要」→意味不明

誰が書いても同じESな上に、このESを書いた学生が志望する理由も論理性が皆無です。実際に就活を昨年までしていた身として理解できる部分もありますが、この類のESには説得力というものがまるでありません。人の役に立たない仕事なんてありませんし、様々な商品を提供する会社になぜ勤めたいかもわかりませんし、後半は意味不明です。何よりも「なぜあなたが志望するか」の視点が欠け落ちています。面接官があなたを選ばなければいけない理由(メリット)がありません。



2.失敗例:自分ドクトリン


多くの学生がする下記3つの間違いについて、どうやったら失敗するかを説明していきたいと思います。「ここで働いてみたい!」って憧れが先行するからでしょうか。特に自分ドクトリンは、B to Cを中心とした人気業種だとこの辺りの理由がよく散見されます。
1a.自分の感情的な理由について書く
1b.自分の仕事観について書く
1c.自分の思いについて書く
多くの学生が仕事観や仕事を通じて成長と書くことが多いですが、即、やめることをおすすめします。なぜなら、成長したいのは貴方の事情で、会社の事情ではないからです。これらの間違いの結果、面接では下記のような悲しいことになります。


学生「昔から夢で~」
面接「(うわぁ、また来た…。夢の事業いかなかったらやめるのかな)」

学生「私は仕事を通じて成長を~」
面接 「(貴方の仕事観を聞いても一銭にもなりません…)」

学生「私は笑顔が好きです」
面接 「(貴方の感情を知っても一銭にもなりません…)」


本質的な問題は「自分ドクトリンについて書いても、なぜこの会社でなければいけないのかを説明できないこと」です。言い換えれば、オナニー志望動機になりやすいのです。そんなの知らないよ、余所の会社行けよ、と思われたら挽回はできません。また自分のことを書くことに集中するとただの「企業のファン」になりかねません。企業が欲しているのは会社にメリットをもたらすビジネスパーソンです。


事例を元にさらに説明しましょう。ネットで拾った花王のESを元に、何がいけないかを説明します。なお、花王を選んだ理由は先ほどと同じです。

花王を志望する理由人に笑顔を与えている会社であるからです。貴社の製品には、使うだけで笑みがこぼれるという、魔法がかかっています。私も人に笑顔を与える仕事に憧れを持っており、そんな仕事がしたいと思っています。 Mr.Childrenさんの「彩り」という歌がありますが、わたしにとって仕事とはそういうものだと思っています。「僕のした単純作業が この世界を回り回って まだ出会ったこともない人の 笑い声を作ってゆく」という歌詞が私の仕事に対するやる気を生むのです。自分のする、なんてことない作業が誰かの幸せを作っていると思います。 なんらかの仕事をし「きっと誰かの笑顔を作っている」というプライドを持つ事で、自分を成長させると考えているので、私は貴社を志望し、たくさんの人の笑顔を作る製品を提供していきたいと考えているのです。
要点ピックアップ→面接官の思考
・「笑顔を与えている会社・製品」
→「(人に笑顔…?製品のどんな所が…?トイレタリー商品だぞ…?」
・「Mr.Children的な仕事観」→「(何を言ってるのかわからない)」
・「笑顔をが自分の成長」
→「(なぜ会社が貴方の成長を助けてあげないといけないのか)」
・「たくさんの人の笑顔を作る製品を提供していきたい」
→「(具体的に何かもわからないしメリットが皆無…)」

今回は誰が書いても同じESではありません。独創性のあるESに仕上がっています。ただ、考えてみてみてください。企業にとって 、この人を雇うメリットってあるのでしょうか。この類のESには説得力というものがまるでありません。自分の世界に浸り切り、読み手のことを意識していません。相手は何千の中から人を選んでいるのです。志望動機として自分のことを打ち明ける場だとしても、「企業にとって、あなたを採用しなければいけない理由」を書かなければいけないのです。面接官があなたを選ばなければいけない理由(メリット)がありません。



解決策:志望動機として伝えなければならないこと


これらのような間違いを避けるにはどうしたらいいのでしょうか。
解決策は「会社に貢献できること」を論理的に訴えることです。「ロジカル面接術」という本はこの点に踏み込んで下記のようにまとめています。

志望動機とは、「会社に貢献できること=能力×相性」。

ただこの本も、志望動機を「会社に貢献できること=能力×相性」とまで述べている点はいいのですが、著者が外資系出身ということもあり、日系の新卒採用の実情にはやや足りていないように思います。日系企業の新卒採用では、雇って育てるという社内教育が強いため、相手にとっての期待値(伸び白)をあげるといいでしょう。


■志望動機を簡単に書く方法
 1. 「その」業界を志望する理由
 2. 「その」企業に惹かれた理由
・ その企業自体のどこに惹かれたか(ハード面:事業や製品思想など)
・ その企業の中のどこに惹かれたか(ソフト面:社風や人の思いなど)
 3.自分の強みが生かせる理由 
・ 自分の心にその企業がなぜ響いているか(感情的情熱面)
・ 経験をもとに強みでいかに貢献できるか(論理的利益面)
4. 自分の情熱と本気おまけ
・ 入社後を想起させる抱負 
・ 単独第一希望であること

これの志望動機をもとに、花王のES例を書いてみたいと思います。
生活に密着し支えるトイレタリー業界に興味をもった。中でも貴社の、1)ヘルシアなどの新商品開発やアジア市場に積極挑戦する会社の姿、2)辛くても試行錯誤を楽しむ社員の働き方、に共感した。とりわけ社訓や創業者の言葉が、現状に甘んじず常に成長を目指し努力してきた自分の心に響き、ぜひここで世界を相手に尽力したいと考えた。自分は8歳からサッカーをし、優勝という目標のもと、競合校の試合を実際に見て情報を集め、勝つ手段を分析することを楽しんできた。そこで貴社の流通開発の社員として、自分の「足で情報を集め、試行錯誤する」強みを活かして貢献していきたい。単独第一希望として志望します。入社の折は努力を惜しみません。
要点としては、こういうことを考えてもらおうと意図しています。
・業界を絞っており、この業界への志望度が高そう→面接時の他社選考状況で、志望度が薄いと取られて弾かれない
・この会社である理由が明確→製品面でも○、会社 のマクロ視点、社員のミクロ視点でも○
・自分の話があり、オリジナルES→この人がなぜ志望しているかが明確。相性が良さそう。
・強みを活かして貢献する→たしかに入れておけば利益に繋がるかもしれない。面接で詳細チェック。
・単独第一希望→ここまで書くなら他社に流れないな…

これまでの間違いESと比較してみてください。「業界の中でもその会社を選んだ理由」を明確にし、「自分の経験や強みを交えながら貢献できる」ことを示している分、採用した場合の貢献が想像しやすいのではないでしょうか。そして似たようなESで私は実際に内定を貰いました。※このESもまだまだ改善の余地はありますが…


また最終面接を多く経験するとわかるのですが、前半で気にする「ES通過」はあたりまえで、後半では「内定を出しても断られないなと思わせること」が勝負の肝になります。志望度が低いとみなされれば、どんなに優れた人間でも落とされるのがサラリーマン面接官が運営する日本の就活システムです。そのため、「業界を絞っていることを明記」「単独第一希望を明記」という部分も差別化要因になるのです。


さいごに、会社の負の部分に敢えて触れるのも効果があります。たとえばきつい仕事が多い企業の志望動機なら「辛い仕事に立ち向かい達成感を求める社員の姿に惹かれた。自分も今まで~」など。会社は負の部分を隠してPRしているため、ちゃんと調べた熱心さときつくてもなお志望する熱心さで非常にウケがよくなります。向こうも3年以内に辞められたら困るため、実情を知ってなお志望する人を評価しているのです。


まとめ+裏ワザ

■志望動機を簡単に書く方法
 1. 「その」業界を志望する理由
 2. 「その」企業に惹かれた理由
・ その企業自体のどこに惹かれたか(ハード面:事業や製品思想など)
・ その企業の中のどこに惹かれたか(ソフト面:社風や人の思いなど)
 3.自分の強みが生かせる理由 
・ 自分の心にその企業がなぜ響いているか(感情的情熱面)
・ 経験をもとに強みでいかに貢献できるか(論理的利益面)
4. 自分の情熱と本気おまけ
・ 入社後を想起させる抱負 
・ 単独第一希望であること

■裏ワザ
○1、2(ハード面)は、「みんなの就活日記の先輩内定者の志望動機を読み、一番多い考え方を要約」すれば一瞬でできます。こんな所は差別化の対象ではありません。差別化は3の自分の話で十分です。(※みんなの就活日記: http://www.nikki.ne.jp/ )

○2(ソフト面)は、OB訪問がベストですが、時間がない時は「転職口コミサイトのコメントから流用」することもできます。口コミサイトは負の感情が渦巻いているので敢えて負に触れる際に便利です(※転職会議:http://jobtalk.jp/ ※キャリコネ: http://careerconnection.jp/

○4は定型文で。「単独第一希望として志望します。入社の折は努力を惜しみません。」

何か意見があればコメント頂けると嬉しいです。

※本記事は、あくまで、自分の就職活動の知見をもとにしたものであり、実際に内定を保証するものではありません。ただ自分はこのインスタント志望動機でだいぶ楽に志望動機を作れていたので、その技を文章化しておこうと考えた次第です。

2013年2月25日月曜日

手巻きタバコ-Roll Your Own- 初心者用メモ

最近、手巻きタバコに凝っている。
タバコの風味を損ねずに楽しめるという話を聞いて、長期間都外に出る前に購入してみたのが始まりだった。結論から言えば、凝ってみて正解だった。非常に良い趣味を見つけた。


色々と自分の調べた経験を元に、他の人も参照できるようメモ書きを残しておきたい。
■手巻きタバコをざっくり知るための参考:「NAVERまとめ」
http://matome.naver.jp/odai/2134147944874320601

始めるに当たって



購入したもの
・ローラー ¥600
・巻紙 ¥100
・フィルター ¥100
・シャグ(葉っぱ) ¥200/10g~

だいたいシャグが600円(25g)が一パックでなので初期投資は2000円程度だろう。煙草一本を作るのに0.5gほど使うため、これで50本程度作れる。自分は手巻きタバコが美味しすぎて煙草が進んでしまったため、手巻きタバコの経済性については触れないで置きたい。2000円程度の初期投資はすぐに回収できることを付しておきたい。
■購入できる場所を探すための参考:「マイナーたばこwiki」
http://www.wikihouse.com/tobacco/index.php

1月ばかりの未熟者であるが、自分のおすすめを述べておく。
ローラーは差がないため何でも良い(ZIGZAGブランドが入手しやすい)。
フィルターも差が出にくいため何でも良い(COLTブランドが収納に便利)。
巻紙とシャグはかなり差が出るため、別項にて後述することにしたい。


手巻き煙草の作り方


手巻き煙草を躊躇う理由の一つは入り口の敷居の高さかもしれない。
動画で見ると大変そうに見えるが数個作るうちに直ぐ慣れてしまう。
下記のサイトと動画が非常に参考になった。
■煙草の巻き方に関する参考「Tabaco shop ikuta」
http://www.ikutaka.jp/hpgen/HPB/categories/25248.html

下記の動画は柘製作所の手巻きタバコの紹介ムービである。
イメージするのに役立った。上手く巻くためにも度々参考にしている。




■紹介:巻紙とシャグ



巻紙は薄いスローバーニングと呼ばれる類のもの「銀リズラ、白ZIGZAG、RAW、など」が自分のおすすめだ。これでかなり変わる。一セット50枚100円程度なので色々試してみることをおすすめしたい。
(参考画像:銀リズラ)
麻でできたスローバーニングの巻紙

自分は、紙がなくなったため、シャグの付録に付いてきた紙をやむを得ず使った際、不味すぎて、自分の体調がおかしいのではないか、葉っぱが乾燥してしまい味が変わったのか、と疑ったほどの違いがある。何よりも違いが感じられるのが、延焼推進剤(?)が入っていないため、くわえタバコをしても目に痛くないし煙草特有の嫌な臭いがしない。

シャグは紙巻以上に種類が豊富だ。
好みがあるが、自分が他の人に進めるなら「ゴールデンバージニア」の一択だ。有名な定番品らしくものすごく美味しい。煙に仄かな甘味があり、吸うと口の中からよだれが出てしまう。乾燥加湿も手間をそこまでかけなくてもよく、パッケージも密閉式で、味も癖がなく初心者の人でも思う存分に手巻きタバコの魅力を楽しめることだろう。

■色々な口コミの参考:「手巻きタバコWiki」
http://wiki.nothing.sh/page/%BC%EA%B4%AC%A4%AD%A4%BF%A4%D0%A4%B3

自分は1月あまりで、「ゴールデンバージニア、フランドリアバージニア、マニトウゴールデン、ドラム、コルツバニラ、ドミンゴ・バニラ、チョイスバニラ、チョイスアイスティー、チョイスオリジナル、マッグバーレンアメリカン、アメリカンスピリットナチュラル、エクセレントキールロワイヤル、ブラックデビル、サーフサイド・ピニャコラーダ、アークロイヤル」を試した。

個人的なメモを残すのなら、
■ ゴールデンバージニア(非着香系) ★★★★★ 
…悩んだらこれを取れ。常に一つはキープしておきたいローテーションに組み込む。パックを開けるととろろ昆布の香り。火をつけると口の中で仄かな甘味と芳醇な葉の香りが広がる。吸うとよだれがでるほどの煙の美味しさ。
■ ドラム(非着香系) ★★★☆☆
…ゴールデンバージニアに飽きたらこれ。パックを開けたら鰹節の匂いがする。可もなく不可もなく美味しい。
■ エクセレントキールロワイヤル(着香系) ★★★☆☆
…かなり濃厚なフルーツガムのような甘い匂いが漂う。
■ ブラックデビル(着香系) ★★★☆☆
…紙巻のブラックデビルとは違って若干まろやかなココナッツ臭がする。美味しい。

この辺が好みだった。ゴールデンバージニアをメインに据えて、色々と開拓して行きたいところだ。

2013年1月22日火曜日

西脇資哲氏に学ぶプレゼンとデモの秘訣(要約メモ)

プレゼンテーションのやり方として、素晴らしい記事を見つけたので引用。
マイクロソフトの西脇さんのMIJS会員向けエヴァンジェリスト養成講座の要約。
実用的な部分を特にピックアップして自分へのメモに。

■ 何を伝えるのか一番最初に決めなければならないことは、何を伝えたいか。伝えたいもの、伝えたいことを決めるのが最初。メッセージが伝わらないとプレゼンテーションは失敗。
誰に、いつ、どこで、なぜ、誰が、どのように
伝えるのか。伝えたいことが複数ある場合には必ず順位をつける。これができていないプレゼンテーションが多い。例えば急に時間を短縮することになった場合に、伝えたいことに順序が決まっていないと全体を短縮しなければならなくなったりする。
■ 人数によって構成は変わる相手が少人数の場合には視点を誘導しやすいのでスライドの情報は多めに、相手が大人数の場合には簡潔で情報量の少ないスライドが有効。また、相手が大人数の場合には視点誘導のテクニックが必要で、動画なども効果的。「印象」を与えるのが重要。
よく、どのくらいの人数のプレゼンテーションが一番緊張するか、と聞かれるが、100人前後が一番「考える」。100人くらいだと相手が見えるので、寝ている人がいると大変心苦しく思う。
 ■ プレゼン資料の構成必ず次の5種類の言葉で始まるスライドを入れるようにする。
・「最近は」、「そういえば先週」ではじまる「親しみやすい共通の話」・「本日は」ではじまる「こちらのペースに誘導する話」・「ところで」ではじまる「意外?!と感じさせる話」・「具体的には」ではじまる「へ~、と興味を持たせる話」・「まとめますと」で始まる「なるほど、と納得させる話」
プレゼンテーションは必ずドラマにするようにする。 
お勧めしたいのは次のような構成。
・会社紹介、自己紹介、世間話、課題提起、ホラーストーリー、解決策、デモ、効果、比較、具体例、まとめホラーストーリーがあると危機感を共有しやすい。クライマックス(インパクト)をどこにするかも重要。流れを考える準備がとても大切。プレゼンテーションは(女性視点での)デートと同じ。過程が必ず評価される。また、プレゼン資料には裏表紙(最後のページ)も必ず作る。会社のロゴマークや空白のスライドで良い。また、「良い変化」は必ず右肩上がりで表現する。アニメーションは多用しない方がいい。

■ プレゼンテーションの視点と言葉遣いのマジック例えばリンゴについて説明するケースでは、次のように視点によって表現が変わってくる。
・自分視点: 新種のリンゴをお届けします・神様視点: 新種のリンゴが届けられます・顧客視点: 新種のリンゴが味わえるんです
プレゼン中で一回でいいから顧客視点の言葉を使うようにする。

発言の細かな所。1分間に3つ以上の数字を織り交ぜた発言を一回はする。おおよそ、ではなく実数を使う。「数年前」ではなく、「6年から7年前」
対象者の視点で数字を使う。「本日来場いただいているぐらいの人数で」「みなさんと同じくらいの経験豊富な年齢の方が」「みなさんがお休みになるくらいのお時間には」
名詞は必ず副詞・形容詞などで修飾する。「皆さんは」→「お忙しい中ご来場いただき、真剣なまなざしで聞いていただいている皆さんは」
体言止めを使う「我々はこうやって危険性を指摘してきたのです」→「我々が行ってきたのはとても重要なことです、そう、危険性の指摘」
質問と回答を使う「我々はこうやって危険性を指摘してきたのです」→「我々が行ってきたのは何だったと思いますか?、そう、危険性の指摘」
魅力を最後にする「我々は素早く完璧な危険性の指摘をしてきたのです」→「我々は危険性の指摘をしました、しかも、素早く、そして完璧な」」
進行形表現
デモンストレーションでは過去形の言葉は使わず、進行形の表現を使う「表示されました」ではなく「表示されます」。
自社の製品なら次の動作がわかるはずなので、動作の前に何が起こるかを説明する。その方が速く動いているように見える。
スライドについても、次のスライドで何を説明しようとしているのかを先に話す。そうすることで、PowerPointがリードするプレゼンではなく自分がリードするプレゼンになる。資料についても「今、お手元にお配りしました」ではなく「今、お手元にお配りしております」、「今、皆様の手にとっていただいております」(+顧客視点)「今、それぞれの皆様の手にとっていただいております」(+修飾)。
参照元のサイトはさらに細かに講演をまとめられているので確認してください。
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50440548.html


2013年1月20日日曜日

ブログで提供できる私のバリューとは何か

ブログで提供できる私のバリューとは何か。

開設当初はアウトプットの掃き溜めにする予定だった。
ただ幸いにして、いろいろな人に見てもらえていることがわかり、
もう少し自分の提供するバリューのことをみたいと考えている。

クローズドなアウトプットであれば、日記のままでも良かったのかもしれない。
しかし、読者がいることを知り、閉じていないことがわかった。
オープンなアウトプットとなった今、もう少し読者に配慮すべきではないか。

アクセス数が多いのは、「御朱印、自分の技法、最新書籍の書評」など。
どれも他の人の知りたい情報を提供しているものであると思う。

もう少し、「他の人が知りたい情報」を「他の人が読んで意味ある形」としてまとめていきたい。

2013年1月18日金曜日

センター試験の直前に読むべき点数を上げるためのコツ。

それは「試験時間以外は、極力、何もするな」ってことです。
とくに、目、肩、腰、脳などの試験に関わる機能はいっさい使わないようにしましょう。
あとは「長い休み時間は気分転換に散歩して体をほぐしておけ」。

センター試験は想像以上に長いです。朝から晩まで試験しっぱなしです。
ストレスはたまる。おなかはへる。肩や目に疲れがどんどんたまってくる。
特に夕方の試験のときにはもうへとへとになっています。

なので、試験以外は友達と答え合わせしたり、試験対策に単語帳をみたり、
……なんて無駄なことをせず、体の回復やストレスの発散にだけ集中した方がいいです。

机に頭をつけて、瞑想して寝てください。
それか椅子の上で坐禅を組んで、瞑想して寝てください。
答え合わせの周囲の声が煩ければ耳にイヤホンしてクラシック。

直前に足掻いて得られる点数よりも、落ち着きを失って消える点数の方が大きいです。
付け刃のテクニックなんかよりも、平常心と確固たる自信の方が得点になります。
自分の積み上げてきた問題集やノートを見て自信を持ってくださいね。

あとは、1日目の答え合わせをしたくなるかもしれませんが、2日目まで絶対に我慢。
自分の回答の正否なんて1日目に知ってもいいことなんて何一つありません。
良くても慢心してしまうし、悪くても心配してしまうし、2日目に響くので。

私もセンター試験前は緊張で死にそうでした。
ただ一限目の問題を解くうちに自分の努力を思い出して次第に緊張がほぐれていきました。
時間がある人は、練習時間を自信に転化していきましょう。

情報量のような理不尽な差があったとしても、
持っている時間だけはみんな平等なはずだから。

おまけに。
緊張していた私を助けてくれたクラシックソングを貴方に。
こんなブログ見つけちゃうようじゃだめだよ。深呼吸。


■Earth -村松崇継

2013年1月15日火曜日

これが外資系戦略コンサルタントが提供するアプリだ!~iPhone/iPadアプリ「朗読少女」。

昨日の記事「ガルシアへの書簡」について、
調べ物をしている際に色モノアプリが検索にかかった。
気になって見てみると「朗読少女」というものらしい。


「朗読少女」


制服を着た少女があなたのためだけに本の朗読をする「読書エンターテイメントアプリ」
公式HP: http://rodokushojo.jp/site/

『朗読少女』は、オトバンクから発売されているiPhone、iPadアプリの製品名。朗読部に所属しているとの設定の女子高生キャラクター「乙葉しおり」が小説などの書籍を朗読してくれる。音声合成ではなく、声優(ささきのぞみ)の収録した音声を使用している。また、アイテムを追加することで羊を数えてくれるなどの機能を追加することができる。本体アプリはapp storeのブックカテゴリで無料で入手することが出来、追加で有料の専用電子書籍コンテンツを購入する形態。ー出所:Wiki


オーディオブックの文化が根付いて来なかった日本でも、
ニッチなファンのいる声優×アニメを組み合わせれば市場を開拓できるのか。
版権の切れた著作物を使っていけば、なんとか事業化できそうな気がするな。

と、関心しながら運営する会社を見やる。
オトバンク社というのか…と概要を見るうちに役員一覧を見て驚いた。

代表取締役会長 上田 渉 
代表取締役社長 久保田 裕也
取締役 瀧本 哲史

え、私の高校のOBの方がいらっしゃる…。
その上、「僕は君たちに武器を配りたい」という本で有名な瀧本氏が取締役なのか…。
※取締役の瀧本氏は元マッキンゼーの人なのでブログタイトルに偽りはない。

また、コンサルティング会社出身の人の運営される会社だと、心なしかセグメントのターゲッティングや収益構造がわかりやすいモデルを堅実に歩まれている気がしてならない。

オトバンクの名のとおり「音を預かり、多様なメディアに配信し、運用益を音源権利提供者に返す」というビジネスモデルは音源権利者も損はしにくく、流行るかわからないオーディオブックへの進出の促進になる。また「DRM」などの配信に関わる他の事業も外販し、「書籍プロモーション」などの既存設備でできる事業への取り組みなど、身軽に機会を逃さない経営を行なっている所も興味深い。そのうえ、B to Cによる間口の拡大として「アプリ関連事業」を行い、オタク系という熱心な顧客層を獲得している。そしてアプリを、コミック化、小説化、インターネットラジオ番組の配信、イメージソングCDの発売、学習用書籍とのコラボレーションなど、メディアミックス展開を図っており、この速度と展開は圧巻だった。

色モノアプリとの出会いだったが調べてみると色々と面白いこともあるものだ。
私は、iPhoneを持っていないためご縁のないアプリであるが、色々と考察を深めたい。



■朗読少女についての参考記事
アスキードットジェイピー
声優のささきのぞみが生朗読! 「朗読少女」発表会
アニメ少女キャラが名作文学を朗読――オトバンク、iPhoneアプリ「朗読少女
オーディオブックが電子書籍の可能性を開く!
美少女が名作を読んでくれる「朗読少女」のブレイクぶり

2013年1月14日月曜日

「ガルシアへの書簡」から学ぶ命令のあり方。ローワン人材はいない。

世界的なベストセラー「ガルシアへの書簡」を読んで思ったことがある。
この短い小説の中では「世の中の人が本当に求める人の姿」が示されていると言われる。
かつてキューバをめぐった戦争で、アメリカを勝利へと導いたヒーロー、ローワン。その任務は、スペイン軍の網の目を潜り抜け、キューバのどこかにいるはずのガルシア将軍に手紙を届けること。
アメリカのマッキンレー大統領はローワンに「ガルシアへの手紙を届けろ」とだけ命令し、ローワンはそれを見事に果たした。この物語の衝撃的な事実は、キューバのどこにいるかもわからないガルシア将軍に手紙を届けろという命令を受けたローワンが、「ガルシア将軍はどこにいるのですか」という質問をしなかったこと。ローワンは命令を受けると直ちに行動に移った。

ガルシアへ手紙を渡せる人とは、「それは他人から依頼されたことに対して不平、不満、そして質問さえせずに着手できる人」を表すのだという。今の世の経営者もこのような人を求めている。



この人のようになりたい。
……そう続けたい所だけれど、自分はどうも腑に落ちない。

経営者がこのように命令をそのまま聞いて遂行してくれる人間を求めることはわかる。
しかし、ローワンのような人材を一方的に求めるのは教訓とは違うのではないか。

ところで、軍事用語で『一般方向○○』と言うのがある。
細かいルートは適当でよいから、とにかく○○へ向かって進め、と言うもの。
ガルシアへの書簡の場合、「一般方向・ガルシア」となるのだろう。

ガルシアへの書簡で重要な教訓は、
「ローワン人材」より下記の2つのことにあると言えるだろう。

・目標が変わらずに明確だったこと。
・任務が完全に委任されていたこと。

何が何でも進むべき、「一般方向」を明確にしたこと。
細かいことに注文を出さず何が何でもやれという委任したこと。

これらの2つは言いなりに成果を出すローワン人材を求める前に、
用意しておくべき命令する者としての心構えではないだろうか。

目標がわからなければ何事もやりようがない。
ころころ目標を変えることもなく、完全な目標を初めに明示すべき。

報連相で余計な手間を煩わせず、注文をつけて混乱させない。
情報の最前線である現場の判断に全てを委任する。

この条件があるときに、
自主的に何事も問わずに成果を出し続ける人間が生まれるのではないだろうか。

そんなことを読書をしているときに考えていた。


エルバート・ハーバード著「ガルシアへの書簡」


英題: ”A Message to Garcia” By Elbert Hubbard
原文: http://www.birdsnest.com/garcia.htm
訳文: http://www.e-freetext.net/garcia.txt


キューバ事件に関するあらゆる事柄の中で、ある人物の存在が、私の記憶の中では、火星が大接近してきたときのごとくはっきりと抜きんでている。かつてスペインと合衆国の間に戦争が起こったとき、早急に反乱軍のリーダーと連絡を取らなければならなくなったことがある。その男ガルシアは、キューバの山奥のどこかにいるとのことだったが、誰もその所在を知るものはいなかった。郵便も電報も、ガルシアの元へは届かなかった。だが大統領はなんとしてもガルシアの協力を取り付けなければならなかった。しかも早急にだ。
どうすればいいのだ!
誰かが大統領に進言した。「ローワンというものがいます。彼ならば必ずや大統領のためにガルシアを見つけてくれるでしょう。」
ローワンは呼び出され、ガルシアに配達されるべき手紙を渡された。「ローワンという名の男」がいかにして手紙を受け取り、防水袋に密封し、胸の所に革ひもでくくりつけ、四日後の夜に単身ボートにてキューバの海岸に近づき、ジャングルに姿を消し、そして三週間後にキューバ島の別の海岸に姿を現したのか、つまり、いかにして敵地を自分の足だけを頼りに横切って、ガルシアに手紙を配達したのか、その詳細をここに書き記すことは私の本意とするところではない。
ここで述べたいのは以下の点である:マッキンリー大統領はローワンにガルシア宛の手紙を託した。そのときローワンは、手紙を受け取るに当たって「その人はどこにいるんですか?」などと尋ねなかったのである。なんという男! 彼こそは、その姿を銅像に残し、国中の学校に設置し、もって永遠にその業績をたたえるべきである。若者に必要なのは、机上の勉強や、あれやこれやの教えなどではない。背筋をビシッと伸ばしてやることである。そうすれば、若者はおのずと課せられた信頼に応え、素早く行動し、精神を集中させ、そして「ガルシアに手紙を持っていく」人物となっていくであろう。
ガルシア将軍はもうこの世にはいない。しかしガルシアは他にもたくさんいるのだ。
多くの人手を必要とする大事業を実現しようと努力してきた人間ならば、きっと愕然《がくぜん》としたことがあるだろうが、普通の人間はあまりに愚かすぎて、一つの事業を成し遂げようとする能力も意志も持ち合わせていないのである。いい加減な手助け、愚かなうっかりミス、どうしようもない無関心、そしていい加減な仕事、こんなものが幅を利かせているのが現状なのだ。そういうものたちをひっかけたり騙したりおどかしたりして、強制的にやらせるか、お金で釣るか、あるいは神がその善き御心から奇跡を起こし、光の天使をアシスタントとしてつかわされたりされない限り、事業を成功させることはおそらくできないだろう。
読者におかれてはぜひ以下に示すテストを試みられたい。あなたは自分のオフィスに座っている。そして六人の部下を使っているとしよう。
ここで誰か一人を呼びだし、こう命令してみるのだ。「百科事典を見て、コレッジオの生涯について短いメモを書いてきて欲しい。」
さて、部下はすぐに「分かりました。」と言って仕事に取りかかるだろうか?
おそらくあなたの状況では、そうはならないだろう。たぶん、どんよりとした目であなたを見つめ、こんな質問をいくつか聞いてくるだろう。
「コレッジオって誰ですか?」
「どの百科事典を見ればいいんでしょうか?」
「百科事典のどこに載っているんですか?」
「私はそのために雇われてるんですか?」
「ビスマルクとは関係ないんですか?」
「チャーリーにやらせたらどうですか?」
「その人は故人ですか?」
「どれくらい急いでやればいいんですか?」
「本を持ってきますから、ご自分でなされたらどうですか?」
「いったい何が知りたいのですか?」
そして、賭けてもいいが、あなたが以上の質問に答え、いかにして資料を探すのか説明し、なぜそれが知りたいのかも話した後に、部下は部屋を出て、他の部下の助けを借りながら、“ガルシア”を探そうと試みた後で、引き返して「そのような男は存在しません。」と報告するだろう。もちろん私が負けるかもしれない。しかし、平均の法則によれば、私は負けはしない。
あなたがもっと賢明であれば、「部下」に対して「コレッジオ」は「K」じゃなくて「C」の項にあるんだよと付け加えることはせずに、にこっと笑って「気にするな」と言って自分で探しに行くに違いない。
こういった自分から行動を起こさず、道徳心のかけらも持ち合わせず、なんのやる気も持たず、みずから進んで気持ちよく頼まれごとを引き受けようとしないなどという行動をするから、真の福祉社会がいつまでたっても実現しないのだ。自分のためにだって行動を起こさないのに、そんな人たちがみんなのために何か行動を起こすのだろうか? 棍棒でむりやり行動させるナンバー2が必要になるだろう。土曜の晩にはクビに対するおそれから、実におおぜいの社員が職場にとどまらざるを得ないのである。
速記者を募集しても、十人に九人はスペルも綴れず、句読点の打ち方も知らず、しかもなぜそれが必要なのかすら考えていないのだ。
そのような男にガルシアへの手紙を書かせることができるだろうか?
「あの簿記係、いるでしょう。」ある大工場で工場長がこう言ってくる。
「うん、それがどうした?」
「えぇ、あいつ、計算は立派にやるんです。ですが、あいつを街に使いをさせると、だいたい要件は終わらすんですが、たまに、四軒酒場に寄り道して、大通りについた頃には、何を言われたのか忘れちまってることがあるんですよ。」
こんな男に、ガルシアへの手紙を持っていくよう頼むことができるだろうか?
私たちは最近、「非人間的な工場にて虐《しいた》げられた社員」や「すばらしい雇い主を捜す浮浪者」に対する、いささか感傷的な同情の念をよく耳にする。
それにはしばしば、力ある人間に対する厳しい言葉がたくさんくっついていることが多い。それに対して、雇い主に対してそのように言われることは全くない。彼らが薄汚いろくでなしに知的な仕事をさせようとむなしい努力を続けた末に、実際の年より老けてしまったり、何もしないのみならず、背中を見せるとサボりだすような人の「助け」を当てにして長いこと我慢強く奮闘しているのに、である。
あらゆる店や工場の中で、無駄を取り除こうという努力が日々続けられている。雇い主は、仕事での利益を最大限上げるなどという能力を持ち合わせていない「助っ人」を日々追い出して、代わりの人を雇い続けている。好景気の時でさえこのような努力が続けられているのだから、万が一景気が悪くなって仕事がなくなってきたら、よりいっそう人員整理が激しくなり、能力を持たない下らぬ輩は職を失い、二度と仕事に就けなくなってしまうのだ。
それが適者生存というものなのだ。自己の利益を追い求めんがために、あらゆる経営者がベストを尽くそうとする、これすなわち、ガルシアへの手紙を運べる人を雇い続けることにつながるのだ。
私は最近、才能あふれる紳士と知り合った。彼は自分自身のビジネスを運営する能力を持っていないし、そのうえ、他人のために役立つことも全くないのだ。それというのも彼は、雇い主がいつも自分を虐げている、あるいはそういう目的をもって行動しているというおよそばかげた妄想を抱き続けているからなのだ。彼は他人に与えることができない。従って、他人から何かを受け取ることもない。もし彼に、ガルシアに手紙を持っているよう命令したならば、その答えはきっとこうに違いない。「自分で行けば。」
今夜もこの男は仕事を探して通りを歩き続けるだろう。すり切れたコートのほつれからピューピュー風を通しながら。彼をあえて雇おうというものに誰も心当たりはない。それは彼が先頭を切って不平不満をあおるからなのだ。しかも鈍感ゆえにそれが分からない。分からせるには底のあつい革ブーツでけ飛ばしてやるしかない。
もちろん、このような心のねじ曲がった男たちといえども、身体障害者くらいには同情に値することくらい承知している。だが、同情の涙は別の者たちのために流そうではないか。つまり、偉大なる目的のために就業時間など関係なくひたすら努力している人、そして、自分を無視する者やだらしない無能力者、心ない恩知らずたちを率いて苦闘してきたおかげであっという間に白髪を抱えてしまった人たちにこそ流してやるのだ。もし彼らの事業がなくなれば、そんな輩はたちまち貧乏となり、ホームレスになってしまうのだから。
私は言い過ぎてしまったんだろうか? 多分そうなのだろう。だが、世界中がスラムを抱えている今、私は成功してきた男たちに激励の言葉をかけてやりたいのだ。彼ら成功者たちは、その目的のために他の人たちの助けを集め、成功してきたのにも関わらず、何も手元に残らないのである。ただ住む所と着るものを除けば、本当に何もないのだ。
私は弁当箱を持っていって日雇い仕事をしたこともあるし、人を雇ったこともある。だから、両方の立場について何を言うべきかよく分かっている。貧乏なことはそれ自体美徳ではない。ボロを着ることは誉められることではない。雇い主がみな強欲だとか高圧的だとかいう主張は、あらゆる貧乏人がみな有徳の士であるという主張と同じくらい間違っている。
私の関心は、「ボス」がいようといまいと、同じように仕事をする人に引きつけられる。彼こそはガルシア宛の手紙を与えられれば黙ってそれを受け取り、無駄な質問もせず、手近な下水道に手紙をこっそり投げ捨てたりせず、よそ事をしないで手紙を届ける男であり、そういう男ならばレイオフ宣告を受けることもなく、高い賃金を求めてストライキを打ったりする必要もない。文明世界はそのような人間を、いつだって熱心に熱心に捜し続けている。そのような男が求めるものはなんだって与えられるだろう。彼のような性格の持ち主は非常にまれであり、雇い主には彼を手放す余裕など持てないものである。彼はあらゆる都市、町や村で――どこのオフィスでも店でも、倉庫でも工場でも――必要とされている。全世界が彼を呼んでいるのだ。「ガルシアへの手紙を届けられる」人間は、どこでも、本当にどこでも必要とされているのだ。



2013年1月13日日曜日

週次レビュー

そろそろブログを開始してから二週間が経とうとしている。

毎日続けることも重要であるものの、
質が悪化しすぎている現状はバリューを提供できていないため本末転倒かもしれない。
とりわけ、歴史と御朱印は何も考えていない点がひどい。

言い訳はよくない。
初心忘れるべからず。

まずは、毎日続けて軌道に乗せるという目的は果たした。
毎日続ける必要のある日記程度の思考はアナログ手帳に移して、
隔日でブログには、もう少しアウトプットの質を高めたものを載せていこう。

続けるうちにルールを強化する必要があることもわかった。
・通常記事は4000字以内
・通常作成は1時間以内
これ以上になると効率が悪くなり、日記の範疇を越える。
月一で大型の記事も更新したいところだけれど。

2013年1月12日土曜日

緊張を乗り越えて奮い立つための「曲」(センター試験前・就職活動中)

年が明け早数日、センター試験の足音が近づいてきた。
私はかなりチキン体質なので、センター試験前日、就職活動中は緊張の連続だった。

幸い、センター試験1日目は9割8分、就職活動は大手10社内定。
終えてみると、このような良い結果しか、思い出せない、覚えていない。
しかし、実際は、夜も眠れないほどの緊張があった。

その緊張を乗り越え、自分を奮い立たせるために聞いていた音楽曲を、
記録と自戒を込めてこの場でまとめておこうと思う。

よく聞いていた曲一覧

■ CLASSIC
・Earth -村松崇継 
■ Japanese music
・ファイト - 熊木杏里 
・Progress - Kokua 
・終わりなき旅 - Mr.Children
・何度でも - DREAMS COME TRUE
・栄光の架橋 -ゆず
・地上の星 - 中島みゆき
・荒野より - 中島みゆき
・advance - TOKIO
・宙船 - TOKIO
■ Overseas music
・Can't take that away- Mariah Carey 
・HERO - Mariah Carey 

よく聞いていた曲の中から印象深いものをピックアップ


■Earth -村松崇継
この曲はセンター試験前日の夜に眠れない中で聞いていたもの。
地球の息吹や自然の芽吹きを感じられる素敵な現代クラシック。

睡眠に良いと言われるバッハやモーツァルトに手を伸ばして必死に寝ようとしていても、
寝付けなかったが、好きだったこの曲を聞いたらスムーズに寝られたことで印象深い。


■ファイト -熊木杏里


大成建設のCMで印象深いこの曲。
「あの頃、飛べなかった1m65cmを今、海底60mで思い出す」
「トルコ150年の夢、アジアとヨーロッパを繋ぐ海峡トンネル」
「どんな時間もどんな彼方も、私は今度こそ、絶対に越えるんだ」
直向きに努力する人の、強い想いや使命感が好きだ。
就職活動中、このCMの台詞を曲を聞く度に思い出して勇気づけられていた。


■progress -kokua

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌。
三菱東京UFJ銀行のインターンシップに参加していた際に、
グループワークの発表の際にこの曲をBGMにして発表した。

2週間近く始発から終電まで検討し続けた課題。
そして発表を終えたとき、自分は達成感とともに号泣していた。
「そのときの感動を求めて、頑張り続けよう」
聞く度に思い返す。思い出がなくても十二分に元気の出る曲。


■Can't take that away -Mariah Carey

パナソニックの説明会の最後に流れた曲。
社員の声を集めた映像のBGMに使われていた。

その映像は人事の女性の方が自作したもので、
色々な社員の人からの教えが詰まっていたもの。
この曲をきっかけに、下記の”HERO”という曲を知れた。


■HERO -Mariah Carey

貴方の心を探ればそこにヒーローはいる本当の自分の姿に怖れないで自分の魂に耳をすませば、そこに答えがあるでしょう。その時、あなたの抱えていた悲しみは消えるでしょう 
本当のヒーローはあなたの心の中にいる。ヒーローはあなたの中に眠っている。
就職活動で何をしようか将来に迷っていたとき、この歌詞が心に食い込んできた。
And then a hero comes alongwith the strength to carry onand you cast your fears asideand you know you can survive.
 So, when you feel like hope is gonelook inside you and be strongand you’ll finally see the truththat a hero lies in you.
自分の内なる声に耳を傾けて、本当にやりたいことへ目指していこう。
強くあろう、試験や就職活動ごときで挫けそうになっていちゃだめだ。
That a hero lies on me. 

さぁ、明日も頑張ろう。

記事:
センター試験の直前に読むべき点数を上げるためのコツ。

2013年1月11日金曜日

誕生日には、うんと高い筆記具を贈ろうと思う。

「誕生日にはうんと高い筆記具を買ってもらえ。」
これは、中学校時代の恩師の言葉だ。

一生使えるような1万円くらいするようなものを買ってもらえと常々言われていた。
勉強するためにはいい道具を揃えろ、そうすれば実力が後から付いてくる。
「いい道具を使わずに、いいものが作れるか?」と恩師は喝破されていた。

そこで父に頼み、誕生日にCARAN d'ACHEのシャープペンシルを買ってもらった。



写真のような銀製の六角形グリップの0.7mm芯のシャープペンシル。
値段を聞いたら諭吉さんが2人くらい戦死する価格で非常に驚いた。
そして上部に自分の名前が掘り込んであってひどく誇らしかったことを覚えている。

それ以来だろうか。シャーペンを使うことを楽しみに、
勉強(というか文字を書くこと)に少し積極的になったのは。
我ながらすごい単純な性格をしているな、と思う。

「勉強をしろ!」と一辺倒に叱るのではなく、
勉強をやりやすい環境を整えることが勉強を促すには重要なのかもしれない。

嫌いなことを無理やりやらしたところで勉強の効率は低いままだ。
人間、一番がんばれるのは好きなこと。

「一生懸命より一心不乱」


子どもに勉強をさせたくなったら、いい筆記具をあげよう。
いかに文字を書くこと、新しいことを知ることが楽しいかを気付いてもらおう。


残念ながら、この高い筆記具は就職活動中に筆箱ごとどこかで落としてしまった。
自分のいま使っているボールペンを見て、ふとそれを思い出して感傷的な気持ちになった。

2013年1月10日木曜日

「座右の銘」と就職活動、それと「経営者の座右の銘」。

飲み会の中で自分の「座右の銘」について話す機会があった。
座右の銘とは「常に自分の心に留めておいて、戒めや励ましとする言葉のこと」である。

座右の銘は、自分の拠り所を示す一言なだけに、自分のあり方が誤解なく伝えられるよう、相手に端的に自分を抽象化して伝えられるものであるべきだろう。そのため予め考えて心に留めておかないと、きちんと自分を伝えられない。

就職活動でもそうだった。
「おっ!こいつすごいなって思う座右の銘を教えて」なんてことを、某知恵袋で尋ねても意味が無い。自分を一言に抽象化することに意味があるのだから。

相手が知らないような「すごそうな四文字熟語や格言」を辞書やネットで検索して伝わらないから意味が無い。自分を一言で相手に伝えることに意味があるのだから。

では、私の座右の銘はなんだろうか。
飲み会を振り返ってみると、尊敬する友人たちが面白い座右の銘をあげていた。

人付き合いが広い友人は、「風林火山」の軍旗で有名な戦国時代きっての名武将、武田信玄(1521~1573年)の『人は城、人は石垣、人は堀』を座右の銘としていた。意味は「勝敗を決するのは城や石垣などではなく人である」ということである。人のつながりを大切にして、所属もばらばらな人を束ねて五十数人規模のパーティーを企画し続けて楽しむ友人らしい座右の銘だった。

ひたむきに努力する友人は、S・スマイルズ(1812~1904年)の『天は自ら助くる者を助く』を座右の銘としていた。意味は「人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け、幸福をもたらす」ということである。

さあ、私の座右の銘はなんだろうか。

就職活動のときは、孫武の兵法書から『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』の言葉を借りて座右の銘としていた。意味は「敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはない」ということである。

自分の限界を理解し、相手のことを徹底的に調べ、最適の戦略を分析で導き出して戦う。これが今までの自分の成功パターンの一つだった。そして、孫武の、情報を最重要視し、戦いを避け、最適な戦略で戦いに挑む姿勢が自分と重なったため座右の銘としていた。

しかし今、自分のアイデンティティが「戦うこと」に偏りすぎているのではないだろうかと感じている。

卒業を前に、もう少し座右の銘というものを考えてみたいと思う。
今の所「天は自ら助くる者を助く」が一番しっくりくるなと感じている。


経営者の座右の銘


気になった大企業経営者の座右の銘一覧表

参考までに、経営者の座右の銘を一覧にしてみた。
それぞれの個性が浮き出ていて面白い。

 尾崎 元規
 天佑は常に道を正して待つべし
花王社長
 長瀬 富郎
 天佑は常に道を正して待つべし
花王創業者
 池田 守男
 一粒の麦 (聖書)
資生堂社長
 田中 毅
 為せば成る 為さねば成らぬ何事も
富士重工業社長
 張 富士夫
 風林火山
トヨタ自動車社長
 神谷 正太郎
 1にユーザー、2にディーラー、3にメーカー
トヨタ自動車販売社長
 山内 康仁
 日常の些事に命あれ
アイシン精機社長
 荒川 詔四
 ベストを尽くせば必ず良い道が開ける
ブリヂストン社長
 鍵山 秀三郎
 10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史なる
イエローハット創業者
 上条 清文
 着眼大局 着手小局
東京急行電鉄社長
 葛西 敬之
 信無くば立たず
JR東海社長
 石田 札助
 恒産なき者は恒心なし
国鉄監査委員長
 藤 洋作
 仕事に学び 人に学ぶ
関西電力社長
 芦田 昭充
 知行一致 
商船三井社長
 新谷 功
 在平素 
川崎汽船会長
 吉田 吉蔵
 一針入魂
吉田カバン創業者
 坂元 龍三
 平常心是道
東洋紡社長
 大橋 光夫
 不動心
昭和電工会長
 荒蒔 康一郎
 日々新たに
キリンビール社長
 佐治 信忠
 悠々として急げ
サントリー社長
 丹羽 宇一郎
 行動、攻撃、静観
伊藤忠商事社長
 野間口 有
 粗にして野だが卑ではない
三菱電機社長
 町田 勝彦
 ナンバーワンよりオンリーワンをめざせ
シャープ社長
 嶋村 輝郎
 為せば成る
ニコン社長
 山口 俊郎
 うそをつかないこと
セブンイレブン社長
 上田 準二
 冬きたりなば春遠からじ
ファミリーマート社長
 新浪 剛
 率先垂範
ローソン社長
 江頭 邦雄
 天に事うる心 
味の素社長
 牛久 崇司
 人間万事塞翁が馬
キッコーマン社長
 鈴木 豊
 強くなければ生きていけない。
優しくなければ生きていく資格はない
キューピー社長
 浦野 光人
 冷静な頭脳と温かき心
ニチレイ社長
 村井 利彰
 言行一致
ニチレイ社長
 渡辺 美樹
 夢に日付を 
ワタミフードサービス社長
 田辺 茂一
 親子は他人、兄弟は虫けら
紀伊国屋創業者


中小経営者の座右の銘

また座右の銘として、キヤノンの新聞広告シリーズ『社長、曰く。』も面白い。
この企画は、優良企業の社長の「座右の銘」が一面に並ぶ圧巻の広告である。



これはキヤノンがプリンターの販促を兼ねて始めたもので、優良企業の社長さんたちの言葉を自社のカラープリンターで出力して額に入れ、「これだけ綺麗にプリントできますよ!」とアピールし、「どこかに飾っておいてください」⇒「できたら、プリンターを買ってください!」というストーリーの企画。

下記の本『社長、曰く。』は、全国2500社を超える経営者の方の「座右の銘」を集めたこの企画を幻冬舎がまとめたもの。2500名の社長が心血を注いで導き出した言葉や信念だけに噛みごたえがある。